ちょっとの…

世界

 私が好きな俳優の一人に満島ひかりさんがいます。

10年以上前にNHKで放送された、戦時中満州に取り残された日本人を題材としたドラマ『生きる』を見たことがきっかけとなります。そのドラマで満島さんが演じた女性は、弟や妹たちを含む子供たちを自分の命をかけて守ろうとしていたのですが、その恐怖や苦しさの日常の中で見せる「笑顔」がとても印象的だったのを今でも覚えています。

その後の満島さんの作品をよく観ているのですが、明るい「笑顔」の裏には、苦しさや辛さを抱えた女性を演じている作品が多く、いつも感情移入してしまっています。

Netflixで配信されている8年程前のドラマで、松たか子さん、高橋一生さん、松田龍平さん、そして満島ひかりさん主演の『カルテット』観てみました。その当時多くのドラマ賞を受賞したとの記憶があったのですが、今観てもとても面白すぎました!(私の中でも大賞です(^ー^) )

プロの演奏家になれなかった4人が、軽井沢の別荘で共同生活しながらQuartetとして演奏活動を続けていくのですが、4人それぞれに深い過去があり、そのことを抱え隠しながら物語が進んでいきます。そしてそれぞれの過去が、他の3人の前で徐々にさらされていきます。隠していた過去を他人に知られることはとても辛く怖いことだと思います。そして、その事が深ければ深いほど尚更と思います。しかし、4人はその過去やそれぞれの欠点までも受け入れながら日常を生活していきます。そしてその日常の中では、それぞれがワガママで、そのやり取りに思わず笑ってしまうことが多々ありました。

人は本当に信頼し合える人が傍にいると、ちょっとワガママでちょっとダラけた様になるものだと思います。逆に信頼し会える人が傍にいないと、世の中に一生懸命合わせようとするか、合わせないようにするかになってしまうのだと思います。

ドラマの中の満島さんのちょっとのワガママやちょっとのダラけた様はとてもかわいらしく、そしてそのちょっとができる日常を心から応援したく、私も「笑顔」となってしまいました。

この『カルテット』、そして先日観た、佐藤健さんとのNetflixドラマ『First Love』。どちらのドラマも最後の最後でとても救われる思いとなります。ぜひ観ていただければ、そのちょっとがとても幸せであることを感じ、「笑顔」になっていただけると思います。

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